1. 粘度(ねんど) |
粘度とはオイルの粘っこさの度合いを表す尺度で一般的に動粘度のことを粘度と呼んでいます。
粘度はオイルの性状の中で最も大切なもので、クルマに合ったオイルを選ぶには、まず粘度を考慮しなければなりません。
オイルを選ぶ基準として世界的に普及しているのがSAE粘度番号と呼ばれる粘度分類です。
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●SAE粘度分類とは
SAE(Society of Automotive Engineers/米国自動車技術者協会)で定めた粘度分類で、次の通り0Wから60までの11段階に分けられそれぞれの番号で表示されます。
SAE番号が大きくなるほど粘度が高い(硬い)ことを意味します。
Wは冬季用(Winter)の意味です。オイルの粘度は温度によって変わってきますので、オイルの粘っこさを比較するとき同じ測定温度の粘度で比べる必要があります。
基準となる温度は国際的な取り決めにより、40℃および100℃となっています。
オイルには単一粘度番号のシングルグレードと二つ以上のSAE粘度番号を兼ね備えたマルチグレードがあります。
マルチグレードは季節によって使い分ける必要がないのでオールシーズンタイプオイルとも呼ばれています。
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SAEで定めた粘度分類 |
低温粘度 |
0W |
5W |
10W |
15W |
20W |
25W |
高温粘度 |
20 |
30 |
40 |
50 |
60 |
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右に行くほど粘度が高い → |
●シングルグレードとマルチグレード
■シングルグレード
使用可能な温度の範囲が狭く、季節により使い分けが必要なオイル。SAE20、SAE30、SAE40などと表示されます。
■マルチグレードオイル
使用可能温度の範囲が広く、SAE5W-30、SAE10W-30、SAE10W-40のように表示され、シングルグレードに比べ幅広い外気温に対応できます。 |
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●SAE粘度の分類方法
例えば「5W-40」というオイルがあったとしましょ~。
Wの前の文字「5W」が低温粘度、そして
Wの後ろの「40」は高温粘度と呼ばれます。
まず低温粘度ですが、(チョット専門用語が入ってややこしいですが・・・。)
下表の5Wの箇所を見ますと
CCS粘度(*1)が-30で6600cP(*2)以下、
ポンピング粘度(*3)が-35で60000cPをクリアすることが必要です。
一方高温粘度は、
40の箇所を見ますと動粘度が100で12.5と16.3cStの間にある必要があります。
このようにSAE粘度分類の低温粘度と高温粘度の両方の条件を満たしているオイルをマルチグレードオイルといいます。
一方、シングルグレードには低温温度の基準がないため、高温粘度の条件のみ必要となります。 |
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